親の声を聞くだけで体がこわばる。近くに来られるだけで逃げたくなる。ここまで来ると「好きか嫌いか」の話ではなく、体が先に反応している状態だと思います。私もそうでした。気合いや我慢で押し込もうとして、結局いちばん崩れたのは自分でした。この記事では、その感覚を否定せずに、距離をどう決めていったかを書きます。
「生理的に無理」という言い方をすると大げさに聞こえるかもしれませんが、実際はもっと身体的なものです。声を聞くと胃のあたりが重くなる、隣に座られると息が浅くなる、連絡の通知だけで手が止まる。これは気持ちの問題というより、それまでに積み重なった反応だと思っています。
私が最初にやっていたのは、その感覚を「私が未熟だからだ」と説明して、なかったことにする作業でした。ですが、押し込んだ分は、あとから別の形で出てきました。まず、体が拒否しているという事実を、判断を保留したまま置いておくことにしました。
※これは私個人の実感です。つらさで眠れない、食べられない状態が続くときは、無理をせず、自治体の相談窓口やよりそいホットラインのような公的な相談先も頼ってください。
「無理」というひとつの塊のままだと、どう扱えばいいか分かりません。ノートに、親といて嫌だった具体的な場面を書き出し、性質ごとに印をつけました。
分けてみると、私が「無理」と感じていた中身は、過去と今と未来が混ざっていました。過去は変えられませんが、今の関わり方とこれからの負担は、決め方で変わります。全部をひとつの嫌悪感として抱えるより、扱いやすくなりました。なお、ここで書いたのは私の場合であって、同じ状態の人が同じ結論になる必要はありません。
距離を取る、と言っても一種類ではありません。私の場合、分けて考えたら選びやすくなりました。
どれをどこまで選ぶかは、正しさではなく「自分がどの組み合わせなら続けられるか」で決めました。遠ざかることも、条件つきで関わり続けることも、どちらも選択肢として並べています。家族の形は家庭ごとに違うので、他人の正解を当てはめる必要はありません。
感覚は揺れるので、決めておいた線が基準になります。私が実際に書き出したのはこの4つです。
介護がからむと、医療や介護保険の手続き、費用の分担が絡みます。制度が使えるかどうかの判断や契約は状況で変わるため、決める前に自治体の窓口や地域包括支援センターのような公的な相談先で確認しておくのが確実です。私の場合、先に確認したことで、想像で恐れていたより負担の見通しが立ちました。
私が実際に動いた順番です。
線は守り抜く誓いではなく、試すための仮のものです。私は最初に決めた連絡頻度を、1か月で変えましたし、会う場所も一度変えました。「無理」という感覚はすぐには消えません。ただ、抱えたままでも、距離は自分で決められます。決めるのは誰かのためではなく、自分が続けられる状態を作るためだと、今は思っています。
距離の取り方を決めても、これからの介護の段取りや費用の見通しはひとりでは抱えきれません。迷っている段階で情報だけ先に集めておくと、決めるときの負担が軽くなります。
介護サービスの無料相談を申し込む相談は無料 / 費用・条件は申込先の案内によります相談は無料で受けられます。ただし、対応してくれる範囲や連絡の方法、日程の調整は各社の案内によって異なります。申し込む前に条件を確認しておくと安心です。
感覚を消すことより、感覚を抱えたままでも生活が回る形を作ること。それが今の私の落としどころです。同じように苦しくなっている人が、自分を責める時間を少しでも減らせたらと思っています。